陳情第5号
日本政府に「核兵器禁止条約」の署名・批准を求める議会決議意見書採択に関する陳情
【陳情趣旨】
平成29年7月7日、国連総会では国連加盟国191カ国のうち122カ国の賛成で「核兵器禁止条約」は採択され、令和3年1月22日この条約の批准国が50カ国になり発効された。ついて、世界のあらゆる国が「核兵器禁止条約」に署名・批准するよう、被爆国日本がその先頭にたって呼びかけていただくよう、政府(内閣総理大臣)及び国会(衆参両院議長)に意見書を提出していただきたい。
【陳情理由】
私たちは76年前、広島・長崎に投下された原爆の被爆者の団体で、「原爆被爆者に対する援護に関する法律」の適用を受け、厚生労働省健康局及び埼玉県保健医療部原爆被爆者援護事務担当課(疾病対策課)の関わる諸制度の適用、活用を図りながら、核兵器の廃絶を願い被爆体験を語り「ふたたび被爆者をつくるな!」と世界にアピールしてきた。
その願いに今、大きな希望の光が見えてきた、それは国連で核兵器禁止条約が発効したことである(現在57カ国が批准)。平成29年7月7日の国連総会では国連加盟国191カ国のうち122カ国の賛成で核兵器禁止条約は採択されたが、今年の国連総会では核兵器禁止条約に賛成を表明した国は140カ国に増えた。批准した国は56カ国(令和3年9月23日現在)だが、あと80カ国あまりは批准を準備中である。
この条約は第1条で「核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移譲、受領、使用の威嚇」を全面的に禁止しており、画期的な内容である。国連のグテレス事務総長は、9月26日「核兵器廃絶国際デー」へのメッセージで、今年1月の核兵器禁止条約の発効は核兵器廃絶の「希望の兆し、歓迎すべき発展」と述べ「各国は核兵器禁止条約の発効を歓迎し、そのような進展に立脚して前進する責任がある。核兵器を廃絶して、全ての人のために、対話、信頼、平和の新しい時代を切り開く時代だ」と訴えている。国連の当面の課題はSDGs(持続可能な開発目標)と並ぶ軍縮の最大の課題は核兵器禁止条約の推進である。併せて最近の動きでは、NATO加盟国のノルウェーが核兵器禁止条約の第1回締約国会議(令和4年3月22日〜24日開催)に参加を表明した。
EUの欧州議会の4議員が非公式のオブザーバー参加の動きもあり、オランダ、ドイツも続きそうな様子も見られる。
アメリカ合衆国の全米市長会議が全会一致で合衆国政府に核兵器禁止条約の批准を求める決議をしたことも伝わってきた。北朝鮮は核保有国となりながら、使用の威嚇については、国連の大勢から、事実上行使できない矛盾に陥っている。中国は核兵器禁止条約を認めず署名しないとしているが、最近、中国の「一帯一路」構想と言われている諸国の中に核兵器禁止条約を批准した国が増えて、中国にとって苦しい状態になっている。つまり、核兵器保有国も核兵器禁止条約に拘束されている状態になりつつある。
私たち被爆者は、唯一の戦争被爆国の日本政府を含む国連加盟国全てに対し「核兵器禁止条約」に署名・批准することを求める。
国連の総意という観点から、貴議会が「核兵器禁止条約」に署名・批准を求める決議を採択され、政府(内閣総理大臣)及び国会(衆参両院議長)にその意見書を提出するようお願い申し上げる。