議請第6号
日本農業と地域経済、くらしと雇用をこわすTPP(環太平洋連携協定)に参加しないことを求める意見書の提出を求める請願
【請願趣旨】
野田内閣がめざしているTPP(環太平洋連携協定)は、例外なしに全品目の関税を撤廃する多国間自由貿易協定です。もしこれに日本が参加するなら、多方面に深刻な影響が出ることは、政府の試算からも明らかです。
農林水産省の試算では、日本の食料自給率は現在の39%から13%に激減し、米の自給率も10%以下になってしまいます。地球温暖化の進行をくいとめ、食糧危機を解決することは人類の緊急課題になっているいま、どの国も農業や漁業、林業を振興する政策をとっています。多様で豊かな自然に恵まれた日本が食糧生産を高め、国土を保全することは、日本と世界の人びとに対する責任です。内閣府調査でも、食料自給率を「高めるべき」と答えた人が91%、将来の食糧輸入に「不安がある」との回答が86%にのぼっています。
しかも、TPPの影響は農業にとどまりません。農水省の試算では関連産業を含めて340万人もの雇用が失われ、経済産業省の試算でTPPに参加しない場合に想定される雇用減81万人をはるかに超えます。北海道庁の試算でも地域経済への打撃は破壊的であることが報告されています。
この十数年、アメリカを先頭に「自由貿易」が推奨され、日本の輸出大企業は非正規雇用への置き換えや賃下げ、下請け単価切り下げなど極限のコスト削減で莫大な利益をためこむ一方で、働く4人に1人、1100万人が、ワーキングプアという貧困と格差社会がつくられました。今回、TPPが突然浮上してきた背景にも、自国の輸出拡大をねらうアメリカ政府と輸出大企業のいっそうの利益を追求する日本財界のつよい要求があります。
国民のくらしと雇用、日本農業と地域社会をまもるために、以下の項目を強く要請します。
【請願項目】
政府および国会に対して、TPP(環太平洋連携協定)に参加しないように求める意見書を提出すること。