議請第3号
「最低賃金の改善を求める意見書」の採択を求める請願書
【請願の趣旨】
金融緩和や大型公共投資、円安・株高の後押しもあり、輸出関連企業や大企業の業績が好調です。安倍首相は、中小企業の業況改善や有効求人倍率の回復に言及し、景気見通しの明るさを強調しつつ、賃上げによって経済の好循環を実現するとの方針を掲げています。
ところが、実態としては、労働者の雇用と賃金は改善されていません。正規雇用は減少し、増えているのは非正規雇用が中心で、雇用労働者に占める非正規の割合は、2012年平均で35%、2013年7〜9月平均では37%に達しています1。物価が上昇しているのに、平均賃金は2000年より10%2も低く、雇用労働者の35%は年収200万円未満3のワーキング・プアです。まともな賃金を得られる雇用機会が少なくては、ワーキング・プアからの脱出はきわめて困難であり、消費の活性化も望めません。
今の最低賃金は、最も高い東京でも時給869円、本埼玉県では785円、最も低い地方は664円です。健康で文化的な生活を支えるには足らない上、地域格差があるため、低賃金の地方からの労働力の流出を促しています。
中小企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策を拡充すると同時に、最低賃金を改善することは、景気刺激策として有効です。低所得層ほど消費性向は高く、身の回りの衣食関連財・サービスなど中小企業の得意とする商品を地域で購入する傾向が強いからです。
経済グローバル化で競争が激化しているため、最低賃金は上げられないとの意見もありますが、同じグローバル下の他の先進国は、多くが最低賃金を1,000円以上とし、平均賃金も引き上げて内需を確保しています。ドイツでも時給8.5ユーロ(約1180円)の全国一律最低賃金制を導入する流れですし、アジア諸国でも、最低賃金の大幅引き上げや新設が盛んです。低賃金を蔓延させて競争力をつけるという発想は少なくとも主流ではありません。低賃金労働に頼る経営と労働市場は、企業の成長力と地域経済の消費購買力をともに失わせ、社会を不安定にするとみなされているからです。
公正取引の確立の面からみても、最低賃金を生活保障水準に引き上げ、企業間取引の力関係の中で単価削減・賃下げが押しつけられないようにし、適正利潤を含んだ単価を実現させることが大切です。
憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められ、労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とし、最低賃金法は、最低賃金は生活保護を下回ってはならないとしています。最低賃金の地域格差をなくして大幅に引き上げ、中小企業支援策の拡充を実現するため、貴議会におかれましては、国に対して最低賃金の改善を求める意見書を提出するよう請願します。
以上
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1総務省統計局「労働力調査」詳細集計・2012年平均ならびに2013年四半期平均より
2厚生労働省「毎月勤労統計調査」時系列賃金指数より
3総務省統計局「労働力調査」詳細集計・2012年平均より